からかわれた贖罪



からかわれた贖罪
冷えた手は拒絶の証
効きすぎた甘美
青い炎と赤い夢
爪先まで未練
隣にいるのに温度が違う
夢見がちピロートーク
君の声がどんどん膨れて
お返しは歌でいいよ
死期の四季
わたしの海を宥めて
熟れたような熱
自傷の渦
砂糖は少なめで
秘密に溺れる
罪の味と罰の味
そこから先の二月、君はいない
野ばらに落ちた二つの影
初めての春
水浸しの日曜日
飽くなき悪食
死が己を食い破るまで
まっさらな恍惚
優しくして、とは言わなかった
月面のSOS
百年も一年になる恋
アメリカで見ているかな、君はまるで浮浪者さ
蟻の行列、先導者をつぶせ
耳を撫でた冷たい手
わたしという細胞のすべて
ある鮮やかな復讐
ローズピンクの澄まし顔
不吉を含む微笑み
あさましくあれ
きたない内臓を浄化するために
泡を孕む
密やかなたくらみ
君の手が絡まってうまく踊れない
マネキンに囁く
告白を何度呟いても
えもいわれぬ歓びに頬を染めて
金の靴と銀の爪
香水がわりの煙草
冷たい心臓を唇に押し当てて
プラネタリウムの舞台裏

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蝋梅

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